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Stanley & Iris アイリスへの手紙

アメリカ映画 (1990)

ハーレイ・クロス(Harley Cross)にとっては、可哀想な映画。スタンレー(ロバート・デ・ニーロ)とアイリス(ジェーン・フォンダ)の両主役の次に出てくる3人の名前に入っているにもかかわらず、リチャード(ハーレイ)はアイリスの2人いる子供の1人というだけで、筋と全く絡まない。これなら、誰が出てもいい訳で、子役として油の乗り切っていた時期だけに、残念だ。

映画は、愛する夫を闘病生活の末に失くし、食品加工工場で未来のない生活を送るアイリスと、行商人を父に持った関係で始終転校を余儀なくされ、読み書きすらできないスタンレーの間に生まれた恋の物語。スタンレーに字を教え、スタンレーが手紙を書くことができるようになるまでの話と、亡き夫を慕いつつスタンレーに惹かれていくアイリスの話が、平行して進む。アイリスには、ティーンの姉と11歳のリチャードがいるが、ただ「いる」というだけで、リチャードは「背景」として7つのシーンで登場するに留まっている。

役柄上、ハーレイに焦点が当たることはないので、ただの11歳の子供というだけの存在。従って、ハーレイ独特の表情はほとんど観られない。あらすじも、ハーレイに限り、かつ、かなり省略して紹介する。


あらすじ

アイリスの住んでいる家には、2人の子供以外に、妹夫婦も同居している。夫を病気で亡くし、死亡保険金も下りないアイリスにとって生活は厳しいが、それでも、失業中の妹夫婦も住まわせている。朝食時、娘が体調不良で医者に行くと話している。これは、後で妊娠と分かり大問題となる、その伏線。リチャードも食卓にいるが、ただいるというだけ(1枚目の写真)。そのすぐ後、アイリスの妹は、夫がお金もないのにビールを飲んでいるのを不審に思い、へそくり缶を確かめるとお金が盗まれている。そこで激しい夫婦喧嘩。それを見ている姉弟。このリチャードの顔付きは、ハーレイらしい(2枚目の写真)。
  
  

映画の中盤、リチャードの誕生日。母と姉からプレゼントをもらう。母からは腕時計。「これセイコーだ、ありがとうママ」(1枚目の写真)。「小学校の卒業と、女性のために便座を下げておいてくれるからよ」。姉からはTシャツ。「♥弟が大好き♥」とプリントしてある(2枚目の写真)。「たいていはね」と付け加える。その後、叔父から「父さんそっくりになったな。歩き方も、行いも」と言われ、照れる(3枚目の写真)。
  
  
  

公園を歩きながら、スタンレーが木の種類を学名を添えてリチャードに教えている。文盲なのに、えらく詳しいのは、日本人の養樹園で教えてもらったからだ。ただ、ジャスト2分も続く樹種の説明シーンは、映画の筋とは全く関係がない(1枚目の写真)。関係するのは、その後の50秒のみ。スタンレー:「俺も つい最近、親爺を亡くしたんだ」。リチャード:「パパは、長いこと病気だった」。「問題は、俺が親爺を老人ホームに入れてしまったことだ。字が読めないから、職にもあり付けない。世話ができなくなったんだ。もし、俺が読むことさえできてりゃ、親爺は生きてたかもしれん」。「僕、暗いのが怖いんだ。だから、パパは、一晩中、明かりを点けっ放しにしておいてくれた」。「俺の親爺は光だった」(2枚目の写真)。話があまり噛み合っていない。
  
  

公園で演奏されているブラスバンドのシーンでは、アイリスとリチャードがベンチで演奏を聴いている。リチャードが目ざとくスタンレーを見つけ、指差す(1枚目の写真)。そして、演奏会が終わると、アイリスはスタンレーに寄っていくが、「久しぶりね」。「ああ」。「また会える?」。「いいや」とつれない返事(2枚目の写真)。そのまま去って行く母子。
  
  

夜、アイリスの家を訪れたスタンレー。玄関に出たのはリチャード。「やあ、リチャード」。「コックスさん」。「お母さんはいる?」。「ええ、台所に」。「今まで、何してたんだい?」。「読書」(1枚目の写真)。「読書? 何 読んでた?」。「マンガ」と照れくさそうな顔(2枚目の写真)。一番ハーレイらしい2枚のショット。
  
  

最後は、スタンレーが腕をふるって作ったお祝いのディナーを、アイリスの娘の赤ちゃんと一緒に食べるシーン。リチャードは、スタンレーを半分パパだと思っている。その感情が顔に出ている。
  

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